TAIHEI SPIRITS 受け継がれる想いと太平魂TAIHEI SPIRITS 受け継がれる想いと太平魂

01“太平”の云われ01“太平”の云われ

今から70年前の1947年(昭和22年)3月、東京都千代田区神田神保町2-4(現所在地)に太平電業株式会社が発足。創業者、社員は、戦後まもなく中国から引き揚げてきた満州電業株式会社出身の経営者・技術者たちであった。満州電業は、国策となる満州国の電力大企業で、世界水準の大規模水力発電所や火力発電所を建設・運転し、本土以上に高い技術力を誇っていた。しかし、長年力を尽くしてきた産業施設や私財は攻め取られ、身一つで命からがら日本に戻った彼らが目にした光景は、戦争による荒廃した祖国の姿であった。戦争は破壊と略奪であり、虚しいものだと痛感した一同は、平和訴求の念として「太平の世」を築くことを社名に込め、持てる電力技術を国土の復興のために役立てることを心に誓い、太平電業は歩み始めた。
(写真は満州電業時の当社初代社長)

02電力安定化への想い02電力安定化への想い

当初は創立趣旨からは程遠い配線・修理等の電気工事が大半であった。本来の力を発揮するため画策したところ、創立同年10月に尼崎と小倉の火力発電所補修工事の話を獲得することができた。しかし10数名の社員数ではとても応じ切れず、この機に100名弱の受注体制を整えた。こうして本格的に発電所補修工事に就いたことで、ようやく電力事業の一助を担うことができたのだ。この工事で取り組んだ「直営」「分権管理」体制が功を奏し、技術と熱意が信頼され、1949年(昭和24年)には戦後の火力発電所として最初で最大のボイラ増設工事(小倉火力発電所)を受注。当社初の建設工事として施工できたのは革命的だった。さらに清水火力発電所の補修工事に合わせて委託運転業務も要請を受けた。ここから発電所の委託運転は安定した業務となり、当社の知名度を高め、さらに新しい事業へと輪を広げていった。これが、技術要員不足に悩んでいた当時の電力会社を助け、当社社員の発電所知識の向上・習熟にもつながった。

03電力プラントの技術を総合プラント建設へ生かす03電力プラントの技術を総合プラント建設へ生かす

発電プラント建設・補修の技術力と熱意が信頼につながり、徐々に電力以外のさまざまなプラント建設・補修工事に従事していった。電気工事からスタートした事業は、火力・原子力発電所をはじめ、製鉄所や、製油所、製紙工場、クリーンセンタ、都市建設、アミューズメントパーク、そして海外へとあらゆる分野・場所にまで活躍の場を広げたのだ。これによって豊かな未来社会の創設のための総合プラント建設会社として、グローバルな活動を実現してきた。成長期においては、政情不安定な海外の工事で戦争勃発による撤退なども経験したが、それが強く逞しいDNAを持った技術者集団への成長を後押しした。事業の広がりを通して幅広く会社が飛躍した結果、より総合プラント建設会社としての地位を確立していくのであった。

04痛ましい事故を教訓に。独自技術工法開発への挑戦04痛ましい事故を教訓に。独自技術工法開発への挑戦

順風満帆だと思われても起きてしまう痛ましい事故。事故による仲間の痛み・家族の悲しみは計り知れない。当然、施工体制や安全対策においていかに万全を期すかが問われるが、工事現場は常に様々な危険とリスクが伴う。この危険を一つでも根本から無くすための取り組みとして、当社は独自技術によって工法と施工を助ける開発品と技術開発を積み上げて来た。過去の辛い教訓が、労働災害の撲滅、不適合の防止、工期短縮を図るさまざまな機械装置や工法の改善・研究へと勢い付けたのだ。現在はジャンルを問わず、さらに広くアイデアや技術を取り入れた工法に取り組んでいる。その一例がボイラ工事での巨大な灰カス(クリンカ)の落下を未然に防ぐクリンカ落としマシンや、高所での危険作業を無くすジャッキダウン工法等である。これからもより安全な工事となるよう、当社の挑戦は続く。

05東日本大震災で再認識した電力安定供給の想い

05東日本大震災で再認識した電力安定供給の想い

2011年3月11日 東日本大震災・巨大津波は、東北地区のお客さまのプラント施設に大被害を与え復旧不能と思われる事態となっていた。従業員の安否を確認し、可能な限りの物資を搬送したが、電気がなければすべてのインフラが成立しない事を改めて目の当たりにした。ここから当社とお客さまが一体になっての復旧・復興に向けた闘いとなった。多くの施設・設備はガレキや砂泥に覆われ、さらに設備図面は流され、電源喪失に仮設電源の燃料不足となっていた。そんな中、海水による塩害となる電気部品等を全国から調達することで工事を進め、一日も早く復旧させるという当社の役割を示した。しかしながら、改めて電力安定供給の重要性を痛感することとなった。これからも当社は創業の精神を想い起こし、電力安定供給を続けられるよう真摯に向き合い使命を果たしていきたい。

創業100年へ向けて。未来へ必要とされる企業としての使命と取り組み。創業100年へ向けて。未来へ必要とされる企業としての使命と取り組み。

私たち太平電業は、70年の記念日をスタートとする新たな船出につきました。日本のみならず、世界中の電力プラントを主体にエネルギー安定供給を根本で支えるため、厳しい道のりも外れず、苦しい作業も厭わず、誠意を持って取り組みます。今まさに、創業時と同じように日本の電力システムが大転換期を迎え、電力自由化から発送電分離まで新たな改革が進んでいます。未来に向けた再生可能エネルギー、高効率火力発電所、原子力発電所等の建設・運転・メンテナンス・解体/廃止という、プラント誕生から終焉までの全サイクルを通して安心・安全を一貫体制で守り続けます。これからも先人たちの想いを越えて、脈々と続く「太平魂」を体内で燃やし続け、多くのお客さま、社会が必要とする100年企業を目指します。

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