現場事務
発電所建設の現場には、事務担当と呼ばれるスタッフが常駐しています。私が勤務する武豊火力5号発電所建設所にも、派遣社員を含め8名の社員が配属されています。業務内容は、資材調達や消耗品の管理、お客様とともに進める近隣対策、労務管理、労務安全書類を作成・管理するグリーンサイトへの入力業務など多岐に渡ります。
私はそれらの職務に加え、外国人技能実習生の生活指導員も任されています。現在は、フィリピン出身の実習生たちのプライベートを様々な面からサポートしており、生活必需品の購入支援もあれば、パスポートの更新なども含まれます。実習生が夜中に盲腸を発症し、私が車で病院に搬送したこともありました。
電力が停止したら、社会を動かしている仕組みの多くに支障が出ます。発電所の建設および補修を進める仕事は、社会生活の基盤づくりそのものです。それに加えて、担当している外国人技能実習生の支援業務は、建設業の未来に向けて重要な役割だと認識しています。現在指導中の実習生は、いずれフィリピンに帰国して母国の建設現場で活躍する人材や、他国の建設現場でも技術者として活躍するグローバル人材に成長していくはずです。
また、私たちが外国人技能実習生の指導ノウハウを磨くことは、近い将来の若年層の労働力不足が懸念される日本の建設業界における解決の糸口になるでしょう。目の前の工事はもちろん、将来の工事も見据えているのです。
私は現場では事務担当として配属されており、自らの手で発電所の建設工事や改修工事を進める技術職ではありません。それでも施工管理担当や協力会社の職人さんたちと労務管理などで深く関わることから、発電所を完成させるという「ものづくり」のチームの一員であると自負しています。実際に、毎日少しずつ巨大化していく建屋工事の様子を見るたびに、完成に着々と近づいているという感覚が強まります。
また、特殊な仕様や海外規格の資材を何とかして調達し、施工担当から「助かった」と言われた時にも、工事で重要な役割を果たせたという感覚が残ります。太平電業では、文系出身でも発電所建設や改修のダイナミックな工事に深く関われるのです。