ENVIRONMENT 環境
環境マネジメント
太平電業グループでは、事業活動によって発生する環境負荷をできるだけ削減できるよう取り組んでいます。また、太平電業が広島県に建設した西風新都バイオマス発電所では、「脱炭素社会」実現に向けた様々な取り組みに着手しています。
海外では、当社子会社である太平アルテック社がフィリピンのラグナ州サンタロサ市に保有するサンタロサ工場においてISO14001の認証を取得しています(認証比率:約33%、主要な全3工場中1工場)。
また、当社グループでは、代表取締役社長を委員長とした「サステナビリティ推進委員会」を年2回開催しています。サステナビリティ推進委員会では気候変動関連を含めた最重要課題のリスクと機会について状況を確認し、戦略の立案・見直しを行っており、サステナビリティに関するリスクおよび機会への対応方針や取組計画について委員長が取締役会へ報告を行うことで、取締役会がサステナビリティに関する施策について決議し監督する体制を整えています。
環境法規制の遵守
太平電業グループでは、事業活動において環境法規制を遵守しています。
業務上、油を使う工程が多いことから、現場および資材置き場などから油が漏出しないよう、汚染の防止に取り組んでおります。例えば製油所の建設・解体などの工事の際には、構内や海に油を漏出させないよう、仮設の防油堤を設置し徹底した管理を行っています。
現場に苦情が寄せられた場合には、お客様と情報を共有しながら対応を協議し、是正措置や改善を行うこととしております。
2024年度は、環境法規制の違反はありませんでした。
環境教育と周知徹底
環境に関する教育は、全社員を対象としたコンプライアンス教育の一環として行っています。問題が発生しやすい産業廃棄物のマニフェスト管理などを重点的に取り上げ、繰り返し教育しています。
また、安全パトロールのチェックシートの中でも項目を設け、定期的なチェックを行っています。
省エネルギーの取り組み
太平電業グループでは、現場で使用するエネルギーを削減するために、技術や工法、機器の継続的な改善に取り組んでいます。
工事に必須の重機は、エンジン駆動のものから電動のものに切り替えることで、大きな省エネルギー効果を得ることができます。例えば、太平電業が独自に開発し業界スタンダードとなっている「太平ジャッキシステム」は、エンジン駆動の大型クレーンを設置することなく電気のみで重量物の吊り上げ・吊り下ろしや解体作業が可能となり、安全面の向上だけでなくエネルギー使用量の削減にも貢献しています。
また、溶接の工程では、高周波を用いる新工法を導入したことで、使用エネルギーの削減につながりました。他にも、現場の照明をLEDに切り替える取り組みもほぼ完了しています。
2017年6月に埼玉工場をリノベーションした際には、組み立て・溶接、ブラスト、塗装までの一貫した作業フローが行えるように効率的なレイアウトを導入した結果、省エネをはじめとする環境負荷削減に役立っています。
廃棄とリサイクル
太平電業グループでは、廃棄物の削減・発生抑制 、資源の有効活用に取り組んでおります。
各現場では、お客様ごとに異なる環境管理のルールに従って、廃棄物の適切な処理等を実施しています。
太平電業グループでは、現場で作業にあたる全社員に対して、ヘルメットを貸与しています。年間新たに約5,000個を購入していますが、不要となった使用済みのヘルメットは全数を回収した上でヘルメットメーカへ戻し、分解し新たな資源として再利用に回しています。
| 範囲 | 単位 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 原材料使用量(総量) | 太平電業 (発電所) |
t | 54,416 | 56,760 | 49,255 |
| 木材 | t | 54,416 | 56,760 | 49,255 | |
| 廃棄物排出量 | t | 3,901 | 4,195 | 3,824 | |
| リサイクル量※1 | t | 161 | 91 | 97 | |
| 最終処分量※2 | t | 3,740 | 4,104 | 3,728 | |
| 有害廃棄物※3 | t | 0 | 0 | 0 |
※1リサイクル量:路盤材等に混ぜて再利用する燃焼灰の量を記載
※2最終処分量:再利用することができない燃焼灰の排出量合計を記載
※3有害廃棄物:産業廃棄物処理法が定める特別管理産業廃棄物
水の使用と管理
太平電業グループでは、水の効率的な利用・使用量削減と厳正な管理に取り組んでおります。
現場にボイラーを設置する際に必須となる水圧検査では、水の使用が不可欠です。生活用水には影響のない工業用水を使用していますが、数十トン単位が必要であり、中和作業なども求められるため、お客様の管理基準に則って厳しい管理を行っています。また、西風新都バイオマス発電所では、タービンを回転させた後の蒸気を水に戻しボイラへ再循環させるための冷却水として地下水を使用しています。 冷却水は排出せずに冷却塔で温度を下げて循環させて再利用することで、新たな補給水量を抑え、水資源の使用量削減に取り組んでおります。
| 範囲 | 単位 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 水(取水量) | 太平電業 (発電所) |
㎥ | 155,208 | 132,310 | 119,962 |
| 上水 | ㎥ | 155,208 | 132,310 | 119,962 | |
| 水(排水量) | ㎥ | 59,041 | 42,754 | 44,351 | |
| 下水道 | ㎥ | 59,041 | 42,754 | 44,351 |
太平電業のCO2排出量
| 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
|---|---|---|---|---|---|
| CO2排出量(単位:t-CO2) | 10,058 | 10,146 | 9,846 | 9,770 | 8,468 |
| Scope別CO2排出量 | |||||
| Scope1(単位:t-CO2) | 6,640 | 7,000 | 6,784 | 6,968 | 5,772 |
| 管理部門 | 210 | 195 | 249 | 251 | 212 |
| 施工部門 | 5,961 | 6,525 | 6,142 | 6,389 | 5,251 |
| 工場部門 | 469 | 280 | 393 | 329 | 309 |
| Scope2(単位:t-CO2) | 3,418 | 3,146 | 3,063 | 2,802 | 2,696 |
| 管理部門 | 903 | 825 | 922 | 750 | 762 |
| 施工部門 | 1,616 | 1,724 | 1,537 | 1,505 | 1,444 |
| 工場部門 | 899 | 597 | 604 | 547 | 490 |
| エネルギー別CO2排出量(単位:t-CO2) | |||||
| ガソリン | 1,574 | 1,527 | 1,602 | 1,590 | 1,590 |
| 軽油 | 4,423 | 4,679 | 4,630 | 4,849 | 3,732 |
| 電気 | 3,418 | 3,146 | 3,063 | 2,802 | 2,696 |
| その他 | 643 | 795 | 552 | 528 | 449 |
| 売上当たりCO2排出量(単位:t-CO2/億円) | 8.24 | 8.46 | 8.34 | 7.99 | 7.25 |
太平電業グループは、環境問題に配慮し、事業活動におけるCO2排出量削減に取り組みます。
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CO2排出量削減
太平電業は、「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」を支持し、排出量削減に向けた取り組みを行っていきます。
建設現場において、電動クレーン、電気自動車、電動フォークリフトを導入。ほかにも仮設ハウスの電源をソーラー化するなど、年間0.2%のCO2排出量削減を目指しています。
ニューエナジーへの取り組み
西風新都バイオマス発電所
太平電業は、2019年10月より、広島市西北部で「西風新都バイオマス発電所」を運営しています。この発電所は、長年プラント建設施工・補修工事に携わってきた太平電業が自ら建設し、プラント技術の知見をより高めるために運用しています。
燃料として地域の未利用材や建設廃材等を木質チップに加工したものを用い、約7,000kWのカーボンニュートラルな発電を行うとともに、発生したCO2を回収し構内に設置した農業ハウスで使用するなど、完全自己消費型カーボン・ネガティブ発電所を実現し、地球温暖化防止・脱炭素社会への取り組みを進めています。将来的にはマイクログリッドの構築など、より広い貢献を目指し検討を進めています。
同発電所では、独自の井戸から取水しているほか、敷地内の桜の植林や構内に設置したビオトープで蛍を増やそうという取り組みも進んでおり、地域生態系の維持・回復にも貢献していく考えです。
風力エナジープロジェクト
太平電業グループでは、将来の再生エネルギーの主力のひとつとされる風力エネルギー分野に対する取り組みを進めるため、2020年3月より「風力エナジープロジェクト」を発足しています。2020年4月には「洋上風車の据付方法」、2020年11月に「タワー組立方法」の特許を取得するなど、新しい挑戦を続けています。
気候変動への対応
当社の事業活動に影響を及ぼす気候関連の主なリスクと機会を抽出し、対応策を講じています。
| 要因 | 事業への影響 | 影響度 | 当社の対応策 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 移行シナリオ | リスク | 脱炭素社会に向けた各種規制の強化 | 既存の化石燃料を使用した大規模火力発電所の建設工事が減少する。 | 中 | バイオマス発電や地熱発電所等の再生エネルギー型発電所の建設・補修・O&Mへの移行でより付加価値の高い分野へ参入。 |
| 炭素税の導入 | 事業活動で排出するCO2に炭素税が課税され、コスト増になる。 | 小 | 工事施工時の重機の電動化、照明のLED化や太陽光発電による照明利用などにより、主に施工時のCO2排出量を削減。 (ハイブリッドクレーン、電気自動車、電動フォーク、太陽光パネル+蓄電池による電動工具充電等) |
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| 機会 | 火力発電所の水素・アンモニア燃料化 | 低効率の石炭火力発電所を中心に水素・アンモニア燃料への燃料転換工事等やリプレース工事等の増加。 | 大 | 水素・アンモニアの供給設備への積極参画、燃料転換工事の受注。 | |
| 再生可能エネルギーのニーズ拡大 | 再生可能エネルギー関連の事業が拡大する。 | 大 | バイオマス、地熱、小水力等の再生エネルギー建設・補修事業を推進。 バイオマス発電を中心とした地域の森林資源の有効活用、発電プロセスで回収したCO2を利用した農業をパッケージ化し外販化。 |
||
| 再生可能エネルギー施設建設の需要が増加する。 | |||||
| CO2排出量削減強化に対する評価の高まり | CO2排出量を削減できた企業に対するESG投資が増加する。 | 小 | CO2を吸収した間伐材・未利用材を燃料とするバイオマス燃料と発電プロセスで発生するCO2を農作物に固定化させるグリーンプロジェクトの推進。 | ||
| 原子力発電所再稼働 | 原子力発電所再稼働のための工事量が増加する。 | 大 | 再稼働、新規性基準対応工事の増加および新型原子力の建設・建て替え工事への参入と常駐化。 | ||
| 物理的シナリオ | リスク | 夏季の平均気温上昇 | 技能労働者不足の課題が、屋外労働環境の悪化によりさらに深刻化する。 | 大 | ICT等の活用による、現場の省人化と生産性の向上を推進。 働き方改革や物的熱中症対策推進など、労働環境を改善。 |
| 屋外での作業者を中心に、熱中症等の健康被害が増加する。 | |||||
| 気象災害の頻発・激甚化 | サプライヤーの被災により、資材や労務等の調達が困難になる。 | 中 | グループ会社や協力会社を中心に、サプライヤーとの連携を強化。 施工時の安全対策強化で、第三者を含む防災対策を検討。 有事の災害復旧へ迅速に対応するため、広角的な拠点展開による経営資源の分散化と全国レベルでの体制づくり。 手入れ不足の森林から間伐材や未利用木材を伐採し、バイオマス発電の燃料に活用することで森林の健全な成長を促し、山林火災や土砂災害のリスクを減らし、水源涵養機能を高める(山の健全化)。 |
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| 現場の操業が困難になるほか、第三者被害を与えるリスクも高まる。 | |||||
| 山火事や土砂崩れなどの自然災害の多発。 | |||||
| 機会 | 夏季電力需要の増加による新規発電所の増加、既存発電所の長寿命化 | 増加する電力需要に対応するための新規発電所建設の増加や改造工事の増加。 | 大 | 発電所を中心とした建設事業の受注活動強化。 既存火力発電所の改造・リハビリ工事への参画。 原子力発電所再稼働に向けた工事の継続受注。 耐震補強工事、竜巻対策工事等の受注。 |





































